校長贅言5 第2学年保護者会

[校長贅言]

10月27日(土)

 午後2時からオリエントホールで第2学年保護者会がありました。お忙しい中、221名の保護者においでいただきました(2学年の生徒在籍は324名)。本日のメインの話題は、最後のセンター試験を受けることになる、この学年の生徒たちの進学指導に関してです。保護者会全体会の冒頭「校長挨拶」という名目で少々、話をさせていただきました。以下はその要旨です。

 1学年下の生徒からセンター試験に代わって「大学入学共通テスト」が開始されることになっていますが、すでに新学習指導要領をにらんだ内容が出題されるなど大学入試に関わることが変わりつつあります。この後、進路部から細かい説明があると思います。そうした情報を把握することも大事ですが、保護者の皆様には近視眼的にならないよう、その先を見据えて生徒の将来を一緒に考えてあげてほしいと思います。150年前に江戸時代が終わりましたが、その当時の人々にとって150年後の日本は想像もつかなかったでしょうし、100年前、1918(大正7)年、シベリア出兵や米騒動があった年ですが、この当時の人々にも100年後のイメージは思い描けなかったと思います。現在はAI(人工知能)をはじめとする科学技術の急激な進化、産業構造の変質、グローバル化など、それらの時よりも変化の幅が広く、変化のしかたも加速度的に早くなってきています。予測できない未来に対して、今後重要視されてくるのは、状況判断をする能力と自分の立ち位置を把握する力だと思います。生徒が社会に出る時に世の中を自分の目で見て「ああ、社会はこうなっているんだ、じゃあ私のやりたいこと・適性はこうだから、この道に進もう」という選択・行動ができることが必要なのではないかと考えています。皆様も私も、そして生徒たちも、6歳からずっと勉強をしてきて、勉強をすることが当たり前の感覚になっていて「なぜ勉強するのか」という根源的な目的意識が置き去りにされているのではないか、と最近よく考えます。答えの割り出しにくい問いですが、答えのひとつに「世界はどうなっているのか、自分は何者か、を理解する手がかりを見つける手段」もあるのかなと思います。大学入試ひとつとってみても、情報は多く変化が激しいのですが、やみくもに不安になるのではなく、家庭と学校とで連携して、高校生活後半に臨む生徒の成長をサポートしていきたいと思います。

校長挨拶

進路部主任による大学入試の変化についての説明