校長贅言2-31 後期始業式その後 ~生成AI活用研修を実施しました
校長贅言
後期が始まった9月1日(火)、全校での避難訓練を午前中に実施し、生徒が帰宅した午後、教職員には消火器・消火栓の使用訓練とさす又の使用訓練など、緊急時に備える様々な訓練が引き続き行われました。それらの訓練を終えた後、今年度はさらに教職員研修が加わりました。
今年度は4月に、弁護士の先生をお招きしてクレーム対応に関する研修が行われましたが、今回は生成AIについて学ぶ研修でした。
教員も生徒も日常的に生成AIを使用している昨今だからこそ、生成AIを使用する際の注意点や生成AIの有効活用法などをさらに学ばなければならないと、講師としてコアネット教育総合研究所の岡田育也氏をお招きし、研修会を実施しました。
研修冒頭で、ある私立女子高校の学校案内の表紙の生徒のモデルが、生成AIによって制作されたものであるという事例が紹介されました。これは、実在の生徒を掲載することによって起こりうる、ストーカー被害やSNSに盗用されてしまうなどの様々なリスクを鑑みた結果考案されたものだということでした。本校では、実際に在学している生徒たちの生き活きとした表情を中学生とその保護者の方々に見ていただくために、生徒たちにモデルをお願いしているのですが、フェイク画像などによる被害が出ることを考えると、これからは多くの学校が生徒のモデルとして生成AIを使用する方向に向かうのではないかと考えさせられる事例でした。全ての学校が生成AIによる似たような生徒像を使用することによって、学校案内そのものが似たような雰囲気のものになってしまいそうですが、学校案内自体もその形態や内容を変えて行くのだろうと考えさせられました。
続いて、岡田氏より「日常生活や業務において生成AIをどの程度利用しているか」という問いかけがあり(ほとんどの先生が、日常的に生成AIを使用していました)、どのように使用しているのかをグループに分かれて確認した後、話は生成AIリテラシーへと進みました。生成AIの仕組みを説明され、(当然のことですが)AIが収集・出力した情報をどのように検証し、取捨選択するのかといったリテラシーを育むことが重要だということが伝えられました。その後、AI出力の信頼度を高めるための「効果的なプロンプト」の書き方や、情報漏洩・ハルシネーション・バイアス・著作権などの注意点に関する説明がありました。それぞれの注意点はすべて納得のいくものでしたが、特に業務情報の流出に関しては絶対にあってはならない事例として、それぞれが肝に銘じなければならないお話でした。東洋高校では内部でのみ使えるアカウントを使用して生成AIを活用していますが、それでも気をつけなければならない点が多いことを再確認することができました。
さらに、生成AIの活用を前提とした次期学習指導要領を見据えたとき、学校で生徒たちに何を経験させる必要があるのか、また学びのどの場面・どの要素をより深められるのかといったことについても考えさせられました。今後、生成AIの活用が前提となる社会生活の中で、生徒たちの学びも「何をどれだけ覚えたか」ではなく、「覚えたことをどのように繋げ、どのように使い、他者と協働して何を創り上げるのか」を探求するという方向にシフトして行きます。今回のこの研修は、そのような時代の中で教員ができること、しなければならないことを考えるきっかけをいただく良い機会となりました。