校長贅言2-29 決意を新たにした時空間
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7月12日(日)、大田スタジアムでの野球応援の後、私は成田空港第一ターミナルへと向かいました。
この日、成田空港第一ターミナルからは14名の生徒がニュージーランドへと旅立ちます。これまでは本校からの留学生を受け入れてくださっていたAotea CollegeとParaparaumu Collegeの他に、今回の留学からHutt Valley High Schoolが留学先として加わり生徒の選択肢が増えることになりました。さらに、今年度からWaitaki Girl's High Schoolとの相互留学も始まり、この日に出発する1ターム留学の生徒たちの行き先も北島、南島とバラエティーに富んだものとなりました。
現在すでに5名の生徒たちが1年留学でニュージーランドに滞在していますので、Aotea CollegeとParaparaumu Collegeではその生徒たちと顔を合わせることになります。今年度の留学に関しては、2年生が多く、また男子生徒が比較的多いといった特徴があります。これまでの傾向としては、男子は女子に比べて留学に消極的であったように思えますが、男女を問わず、自らの将来を考えて積極的に動こうとする生徒が増えたということなのかもしれません。また、学年に関してもこれまでは1年生で参加する生徒が多かったのですが、今年度は1年生より多い数の2年生が留学に参加します。これも留学をするのに学年は関係ないと、あるいは2年生になったからこそ留学をしたいと、高校時代という3年間を見通したうえで積極的に動こうとする意識が広がったためなのかもしれません。
午後5時に集合した14名は荷物を預けた後、それぞれ見送りに来てくださった家族との時間を過ごし再集合しましたが、全員が集まる前に話をした中に、その日の東洋高校の野球中継をインターネット配信で見ていたという生徒がいました。彼は「画面では、東洋の吹奏楽部の応援の音量が相手を圧倒していました。本当は一緒に応援したかったのですが(空港への集合時間を考えると行くことができなかった)。」と話してくれました。ここにも、選手と思いを一つにしてくれた人がいました。再集合の後、これから受ける保安検査や出国審査、ニュージーランドへの入国審査や国内線への乗り継ぎなどに関する注意・確認がありました。海外渡航が初めてという生徒もいましたが、オークランド空港からウェリントンやクライストチャーチに向かう国内線への乗り継ぎを、生徒たちは大人の力を借りずにやり遂げなければなりません。なかには英語検定の準1級をすでに取得しているような生徒もいるものの、多くの生徒にとっては持てる英会話能力を総動員しての旅になります。真冬のニュージーランドで、それぞれが充実した日々を過ごしてほしいと思いながら出国審査場へとエスカレーターを下る生徒たちを見送りました。
ニュージーランドへ向かう留学生徒を見送ったのが午後7時。すぐに同じ成田空港の第二ターミナルに移動し、オーストラリアのターム留学へと向かう生徒を見送りました。
今回オーストラリアの高校へターム留学するのは2名のみ。ニュージーランドへの留学生と比べると人数は少ないのですが、それぞれオーストラリアの高校で学びたいという強い意志をもってこの留学に臨んでいました。それぞれの行き先は、これまでもお世話になり、訪日の度にPhillip校長先生も東洋高校を訪ねてくださっているRockhampton Grammar Schoolと、今回初めてお世話になるSt John's Anglican Collegeです。セントジョンズはブリスベン郊外の閑静な住宅街にある比較的新しい学校で、留学生の受け入れ態勢もしっかりしている学校のようです。これまでお世話になっている、姉妹校であるSt Luke's Anglican Schoolへの留学希望もあったのですが、「留学受入には2名以上が望ましい」というMatthew校長先生の意向もあり、今回のセントルークスへの留学は見送られることとなりました。
オーストラリアでは別々の学校に留学するため、それぞれが顔見知りの誰もいない学校で1タームを過ごすことになります。しかし、知っている人が誰もいない環境だからこそ生まれる現地の人とのつながりもあると思います。二人の様子と言葉には「不安」を上回る「やる気」が感じられました。オーストラリア留学で東洋高校がお世話になっているエージェントを通して、他にも2校、数名の高校生が同じ便でブリスベンまで行くようでしたが、国内線を乗り継いで留学先に向かう生徒は東洋生の1名の他には誰もいないようでした。また、ブリスベン近郊の高校への留学にしても、同乗する高校生が東洋の生徒と同じ高校に留学するといった情報はありませんでした。それぞれの漲る「やる気」を胸に、午後8時、二人は元気に保安検査場を通り抜けて行きました。
今回留学をする生徒たちから「この経験を通して成長したい」という言葉や「辛いことも多いと思うが、それ以上に楽しみだ」といった言葉を聞くことができました。留学するという選択肢を自ら選び、ストレスを感じるであろうことを承知の上で、楽しみたい、成長したいという気持ちを持っていることこそが、彼らの将来へ向かう力強い歩みを保証しているように思えます。不自由な時間・空間の中でこそ、人はその不自由さを解消するために学び、考え、工夫して行動するようになります。ある生徒からは、「自分の努力を見せることによって、今後東洋高校からその学校に留学する後輩たちが出たときにその学校の先生方に良くしてもらえるように、先陣を切ってきます。」という頼もしい言葉もありました。自分のことだけで精一杯のはずですが、後輩のことまで考えてくれていたことを嬉しく思いました。
日曜日の夜の成田空港で、それぞれの留学への、そして将来への、決意を新たにする逞しい姿を見ることができました。成長して帰国する彼らの報告が、今から楽しみでなりません。