校長贅言2-12 ~Teenager Youth Festival 2025東洋祭が開催されました
2025年の東洋祭は、本番3日前、10月15日の「前夜祭」からスタートしました。
前夜祭とは文字通り、特定の行事の「前夜」に景気を付けるために行う催しのことですが、今年の前夜祭は、前夜ではなく3日前の開催となりました。昨年までは東洋祭前日に行っていた前夜祭でしたが、出店準備の忙しい前日に前夜祭を見に行くことができない団体が数多くあったことや、逆に前夜祭でパフォーマンスを披露するために出店準備に協力できない生徒が出るなどの問題が指摘されていました。しかし、今年は日にちを東洋祭開催の3日前にずらすことで、1・2年生全員が楽しめる時間となりました。東洋祭実行委員会の生徒たちが企画・運営の全てを行い、様々な催し物が繰り出されました。
吹奏楽部のオープニング演奏に始まり、「TOYO クイズ王におれはなる!」を銘打ったクラス対抗のクイズ大会、それぞれのクラスの代表者がクラスTシャツを着てランウェイを歩き、様々なポーズを披露する「クラTランウェイ」など、笑いと大歓声とに包まれた時間となりました。これまでも東洋祭前夜祭は催されていたものの、1・2年の生徒全員が集まり、クラスごとに知恵を絞り、全員が拍手やエールを送った今年の前夜祭はこれまでにない盛り上がりを見せ、翌日から始まる東洋祭出展(出店)準備に向けた生徒たちの気持ちを東洋祭一色に染めました。
10月16日(木)、17日(金)の2日間は、各団体がそれぞれのペースで準備を進めて行きました。装飾の細部にこだわり遅々として進まないように見えるクラスもあれば、段取り良くそれぞれのすべきことを分担して仕上げて行くクラスもあります。ただ、どのクラス・団体でも、生徒たちが自分のなすべきことを理解し、仲間と協力しながらそれぞれのゴールに向かって進んで行く姿が印象的でした。
そして迎えた18日(土)・19日(日)の東洋祭当日。2年生はピロティで営業される焼きそばやクレープなどの屋台、教室での体験型ゲームなど、1年生は映像作品の上映や演劇、フォトブース、カジノなどの他に様々なアトラクションが出店されました。ピロティも各教室階もかなりの賑わいを見せ、早々に品物が売り切れてしまう屋台や、行列の絶えないアトラクションも校舎内には多く見られました。
また、趣向を凝らした多くの文化系クラブや委員会の出店(出展)の他に、今年は探究ゼミ【TBQ】(Toyo Business Quest)による、高校周辺の会社・事業家のリサーチ結果の発表や、教室内にテントを張って山行の際の装備品を展示したり、それぞれの山行記録をまとめたりしたワンダーフォーゲル部の発表など、これまでの東洋祭にはなかったブースもありました。さらには、毎年恒例の三燦会(父母の会)による制服リユース販売や飲み物販売などもあり、後援会の皆様にもご協力をいただきました。
27日(月)の5時限目には各クラスへの配信による閉会セレモニーも行われました。予定では体育館に全参加クラスが集まり感動を共有するはずだったのですが、インフルエンザの罹患者が出てきたことを受け、急遽、東洋祭実行委員会の生徒たちが配信する画像をクラスごとに見るというスタイルに変更されました。ここではクラスTシャツの人気投票や飲食部門・教室展示部門、制作部門など、部門ごとに分けた出展(出店)に関する様々な結果発表、さらには振り返りムービーの配信などがありましたが、この閉会セレモニーも司会から表彰まですべてを生徒たちが企画・運営してくれました。
「前夜祭」から「閉会セレモニー」まで、それぞれのクラス・団体ごとに小さなトラブルや反省点はあったとしても、それぞれが忙しく立ち働き、充実した日々を過ごすことができたように思います。生徒たちの創造(想像)力・実行力・団結力とエネルギーを間近に感じ、その行動力に感心させられた今年の東洋祭でした。
盛況のうちに終わった東洋祭に、今年は約3,600名の方々がご来場くださいました。ご来場いただきました皆様には、この場を借りてお礼申し上げます。
追記:東洋高校の学園祭の様子は昨年度、外務省ホームページよりアクセスするキッズ・ウェブ・ジャパンというサイトで、6か国語に翻訳され全世界に向けて発信されました。外部の方が覗いた東洋祭の様子が記されています。以下にその取材記事の一部をご紹介します。
生徒の創造力と団結を育む「文化祭」の楽しい魅力
東洋高等学校では全教室が自由な空間となり各生徒が工夫を凝らしてテーマを決め普段は授業で使う部屋を非日常な空間に変貌させます。あるクラスでは古き良きウエスタンスタイルのカフェを設営します。もちろん飲料や軽食の注文も可能です。また、遊園地のように様々な仕掛を施したお化け屋敷は大行列です。いつもの慣れ親しんだ教室であるはずなのに脱出不可能に感じてしまうほどです。生徒が色々な役を演じ、余興の要素も盛りだくさんで人気を集めています。
とにかく活気がある模擬店エリア
文化祭には模擬店が立ち並ぶ学校もあり、生徒たちが手作りの食べ物や飲み物を販売します。そのエリアは焼きそば、ポップコーン、たこ焼き、クレープ、綿飴など、多様性に富んだメニューのお店が並び、活気に満ち溢れ、呼び込みの声が響き、食べ物の良い香りが立ちこめています。模擬とは思えないほど本格的な器具を手際よく操ります。そこは市場のように笑顔があふれています。お店の企画から調理器具の準備、食材の調達から調理、接客まで全て生徒たちが行います。ここでも普段関わりのなかった生徒同士が協力し友情を育みます。
これは社会に出るうえで必要なスキルも身につき、大きな意義があります。運営を通して普段の授業では見えなかった人格にも気付くので新たな友人関係を作るきっかけになります。他者との関わり方や責任感も学ぶことができる上で重要な経験になります。来場者に喜んでもらうためだけでなく、こうした活動も文化祭ならではの楽しみの一つと言えるでしょう。
(中略)
文化祭は単なる学校行事ではなく、生徒たちが自分たちの力で目標を成し遂げる達成感を味わい、他者と協力する大切さを学び、そして自分の個性や才能を発揮する場でもあります。文化祭の成功に向けて仲間と共に全力を尽くすことで、一人ひとりが学校生活における大切な思い出を作り、将来に向けての自信や成長を得ることができるのです。
















