校長贅言56 新型コロナウイルスの蔓延による臨時休校

[校長贅言]

 

 4月7日、政府は7都府県に向け新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を発令(同16日には全国に拡大)しましたが、2・3年生の皆さんにとっては実質的には3月から2ヵ月半余り、1年生にとっては年度が替わってからの1ヵ月半余りの休校=自宅学習の日々となってしまいました。外出をはじめ様々な制限があり、友だちとも直接は会えず、連休も連休ではなくなり、精神的な疲れやストレスも溜まっていることと思います。

通常の授業も行えず勉強の遅れも気になるところです。2・3年生は時間割に沿ってiPadを活用して、課題をこなしてもらっています。連休明けから1年生も同様にiPadを用いて課題学習に取り組んでいますが、直接、顔を合わせて使い方の説明ができていないので、苦労している人も多いようです。また、容量の制限があったり、時間帯によっては通信障害が起きたりして、スムーズにいかないこともあるようです。

 しかし、iPadで繋がっていることによって、先生方を通じて生徒の皆さんの様子がうかがえるのは、救われた点です。積極的に学習に取り組んでいる人、なかなか自分をコントロールできない人(「自律」の度合いが試されますね)、ストレス解消のため家庭全体で工夫しているとの報告……。

 そんな中で、市川良幸教頭の「考えるヒント」2回目が5月13日に配信されました。18世紀のフランスの小説家・スタンダール『赤と黒』の一節、

「旅行者はけわしい山を登りつめて、頂上で腰をおろすと、そこで一息つくのが、なによりの楽しみかもしれないが、いつまでも休んでいろといわれたら、幸福でいられようか?」

日頃の生活がつらい、しんどい、休憩したいと思っていた人は今の状況をどう感じているだろうか、基本的にひとりで過ごさなければならない今こそ、君の「自律」が試されているのです、といういたわりを含むアドバイスでした。

同日、私(石井)からも生徒の皆さんへ、動画によるメッセージを送りました。誰もがみんなつらい思い、しんどい思いをしているけれど、それだけで終わらせず、ではこんな状況の中で自分に何ができるのか、何をなすべきなのか、といったことを考えるきっかけにしよう、負のスパイラルに陥ることなく前向きに行こう、という内容でした。

先生方は基本的に在宅勤務で、ご家庭で皆さんに課題を送信したり、自分のクラスの生徒とiPadでやり取りをしたりしています。ときに、学年や教科、部署ごとに出勤して打ち合わせをしたり、作業をしたりしていますが、なるべく短時間で、なるべく少人数で距離をおいて、と条件が厳しい中での仕事になります。

6月からの学校再開まであと少し、スムーズに学校生活に入れるよう、心と体の準備をお願いします。

生徒から送られてきた「考えるヒント」の感想。

先生方の打ち合わせも、少人数・短時間で。

自宅で活用できるようにと副教材を送る準備。写真は3年生のもの。